歌詞集
いつものように
ただいま と 君の声
うれしいことがあったのかな
すぐに わかるんだよ
照れくさいからね
ありったけの愛は 隠し味に
わざと何でもないような顔して
おかえり
しあわせは
お鍋の中 ぐつぐつ煮込めば
とけてゆく
ひとつになる
おだやかな奇跡を 今日もありがとう
いつものように
ただいま と 君の声
かなしいことがあったんだね
すぐに わかるんだよ
何もできないから
溢れるせつなさは 隠し味に
でも 涙に背を向けたりしない
おかえり
かなしみは
お鍋の中 ぐつぐつ煮込めば
とけてゆく
ひとつになる
腹ぺこのふたり(※君が) 笑った
向かい合うテーブルには
それぞれが抱く さみしさ
噛みしめて 手を合わせる
あたたかい奇跡を 今日もありがとう
作詞:やなせなな
アルバム『遠い約束』(2007年)収録、短編映画『祭りのあと』(2017年)挿入歌
©Studio Tabby
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なぜわたしはここにいるの
憶えていない
あなたのやさしいほほえみの他に 何も
流されて辿り着いた 見知らぬ街では
互いのぬくもりだけが
答えになる
けれど
いとおしいそのすべてに
誰も皆 別れを告げて
去り逝くさだめ 背負う旅人
だから
睦み合い 刻んでゆく
遥かなる時を越える約束
愛する怯え 抱きながら
繰り返し
朝日に照らされて輝く ちいさな花
心に映るもの
ひとつひとつが なつかしい
あなたが流す涙は やがて雲となり
やさしい雨は 今日もわたしの上 降り注ぐ
いつか
いとおしいそのすべてに
誰も皆 別れを告げて
去り逝くさだめ 背負う旅人
だから
睦み合い 刻んでゆく
遥かなる時を越える約束
同じ空に帰る日まで
繰り返し
同じ空に帰る日まで
繰り返し
作詞:やなせなな
コンピレーションアルバム『カフェミルトンへのサウダージ』(2005年)、アルバム『遠い約束』(2007年)収録
©Studio Tabby
あの人の写真は日ごとに
色あせて古くなるから
都合良く 恋を忘れてたあたしも
たまには 泣きたくなったりするのだ。
かたわらでじゃれてる猫は
きまぐれに あたしと目が合うと
時々は なぐさめるように 笑ったりする
そばにいてください だなんて
そんなわがままは
猫にひっかかれて ひっこめた 手の中
握りつぶして しらんぷりしてたけれど
丸めたままのあたしの背中を照らす
夕暮れの月は はんぶん
宙ぶらりんの想い抱える
あたしの心に 似てた
あの人の行方は日ごとに
たぶんどんどん遠くなるから
都合良く 忘れられているあたしは
相変わらず 手ぶらのまま ここにいるのだ。
かたわらでの猫ときたら
いつだって 大あくびして寝てばかり
やさしい退屈な暮らしは あしたもきっとゆっくり続いてく
もいちどだけ会いたい だなんて
そんなお願いは
猫にひっかかれて ひっこめた 手の中
握りつぶして しらんぷり
してたつもりでいたけれど
丸めたまま背すじぴんと伸ばして
急に猫が歌など唄い出す
いつまでもうつむいてちゃだめだと
まじめな顔であたしを見てた
丸めたままのあたしの背中を照らす
夕暮れの月は はんぶん
いつまでもうつむいてちゃだめだから
猫の真似してあたしも唄ってみる
丸めた背筋ぴんと伸ばしたあたしを照らす
夕月はスポットライト
最後に思い切り涙流したら
もう忘れよう
と、決めた。
作詞:やなせなな
アルバム『あいのうた』(2005年)収録
©Studio Tabby
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退屈な毎日 ぼんやり過ごしてるわたしは
朝起きて パン食べて
時計がわりのワイドショウ見て
眠い目をこすって 乗ったラッシュの電車で
今日もうつむいて
イヤってわけじゃないけど
たいして好きにもなれない
毎日の仕事 適当にこなして
今日もため息ついて
かなしいことも つらいこともないから
怒らない 泣かない わたしは
笑えない
“だめだよ このままじゃ”
かみさまがそっと耳打ちした
今日は誕生日
今までのすべてを ここから放り出す
空高く飛んでくのは 他の誰かじゃない
ここにいるわたしに まぶしいおひさまの拍手
朝起きて パン食べて
お気に入りの音楽かけて
眠い目をひらいて 乗ったラッシュの電車の
窓から 見える青空
おんなじことのくり返し なんてないから
怒っても 泣いても わたしは
笑えるよ
ほんとの奇跡を
かみさまがそっと耳打ちした
毎日誕生日!
今までのすべてを ここから放り出す
空高く飛んでくのは 他の誰かじゃない
ここにいるわたしに まぶしいおひさまの拍手
作詞:やなせなな
アルバム『あいのうた』(2005年)収録
©Studio Tabby
わたしのことばは 誰にも届かない
泣けど 叫べど 空しく響くだけ
魔法を覚えた 生け贄はわたし
すべて失くしても あなたが欲しかった
水も薬もすべて この体もすべて
あなたが喜ぶなら そばにいてくれるなら
迷い込んだ道は 閉ざされた闇の中
もがきながら探す 見失ったわたしを
壊れそうな月だけが 静かにわたしを照らしていた
“さあ 早くここから もう逃げなさい”と
歪んだ笑顔は 退屈を誘った
あなたは捨ててく 動けないわたしを
窓のないこの部屋に 光は届かない
牢獄に繋がれた 骸となり果てる
腕を伝う 冷たい命の証が
別れを拒んで 切ない叫びを上げる
迷い込んだ道は 閉ざされた闇の中
もがきながら探す 見失ったわたしを
壊れそうな月だけが 静かにわたしを照らしていた
“さあ 早くここから もう逃げなさい”と
迷い込んだ道は 閉ざされた闇の中
もがきながら探す 見失ったわたしを
壊れそうな月だけが まだ静かにわたしを照らしていた
“さあ 早くここから もう逃げなさい”と
作詞:やなせなな
アルバム『あいのうた』(2005年)収録
©Studio Tabby
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