歌詞集
遥か この海の彼方
砂浜に立つ 恋しいひと
月の光に照らされて
今 何を想うのでしょう
幾千の波に隔てられ
決して結ばれぬ ふたり
熱いからだを重ね合い
夢を孕むこと 望むなら
姿 変えてあげようか
お前のいのちと引き換えに
焦がれる心に絡みつく
甘く 歪んだ 呪文
けれど
かなしい魔法など わたしは いらない
たとえ どんなに離れていたとしても
あなたに繋がるこの海を
わたしは ひとり
運命を背負い 泳ぎ続ける
あなたの望みに適わずに
傷を負う 赤い鱗
けれど
かなしい魔法など わたしは いらない
たとえ 恋は泡となり消え失せても
寄せては返すこの波に
愛だけ 委ねて
あなたを想い 歌い続ける
あなたに繋がるこの海を
わたしは ひとり
運命を背負い 泳ぎ続ける
作詞:やなせなな
アルバム『遠い約束』(2007年)収録
©Studio Tabby
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あんなにも狂おしく
わたしたちは求め合って
溺れる水の中 ふたり
冷たい孤独を知った
どれほど焦がれても
あなた
わたし
ひとり
ひとり
溶け合うことなどできぬまま
時の河に引き裂かれ
あれから 幾つ季節を通り過ぎたでしょう
あの頃は幼くて
慈しむ術を知らなかっただけ
流されて
すべてを失い
辿り着いたその場所で
再び巡り逢う ふたり
濡れたからだ 乾くころ
ことば少なく 互いのかなしみに寄り添い
あの頃の傷跡さえ
慈しむように 触れ合うてのひら
水面に広がる花びら
それは恋の名残
見送るわたしの心に
あなたは口づけをした
春は逝く
春は逝く
ここは静かな河のほとり
作詞:やなせなな
アルバム『遠い約束』(2007年)収録
©Studio Tabby
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たよりない安穏に
寄りかかるたび 転んでいた
揺らいでる この心
もう作り笑いにサヨナラ
さみしさを
誰かと分け合う前に
心が感じる光の射すほうへ
歩き始めるわたしが
かじかんだ手に 握りしめた夢
冷たい風に向かって咲く
ひまわり
愛なんて うわのそら
それでも 時には涙ぐむ
まちがいは
お別れの背中越しにだってわからない
でも
決めたなら
迷っても、進みなさい。
心が感じる光の射すほうへ
歩き始めたあなたが
誰のためでもなく 見つけた夢
必ず雪の上にも咲く
心が信じる光の射すほうへ
歩き続けるわたしが
凍える手を広げ つかんだ夢
まだ見ぬ明日に向かって咲く
ひまわり
作詞:やなせなな
アルバム『遠い約束』(2007年)収録
©Studio Tabby
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街角の夢遊病
くらり
倒れ込んだ君を
誰もが追い越してゆく
せいいっぱい
それぞれの日々
無愛想な人の群れ
ほんのわずかな先を 急ぐ
うずくまる君には
夢の続きが探し出せない
明日を失った人に
心痛めるふりで
わたしじゃなくてよかった なんて
守る
けれど 何を
行方知れずの君を
忘れたように賑う街
立ち止まるわたしは
君の見た夢を探している
このまま もし 消えても
誰も気づかないだろう
わたしも
遠く
遠く
遠く
逝きたい
けれど どこへ
街角の夢遊病
ふらり
短い旅をしただけ
引き返すわたしは
君の残した明日を
生きる。
作詞:やなせなな
アルバム『遠い約束』(2007年)収録
©Studio Tabby
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空に広がる入道雲
もうすぐ ひと雨来るかもしれない
流れ落ちる汗を拭って
働く僕は 今日もまた 急ぎ足
こんな時に 不意に「どうしてる?」
なんて聞かれて
何を話せばいいんだろう
とにかく
時は流れたんだ
言い訳なんて 僕にはできそうにない
今もまだ
心の奥に残る宿題
僕に問いかけ続ける 白紙のままのノートに
震える手で 書き込む答え
夏休みは 終わったんだ
守りたいことが増えてゆく日々
臆病になったな、と時々は思うよ
つまらない大人が嫌いだったあの頃
ほんとうの強さを 僕は知らなかった
空に輝く稲光
激しいにわか雨が僕を濡らす
流れ落ちる涙拭って
生きてく僕は 今日も無理して 笑う
入り組んだ
心の底に沈めた夢
今も胸に蘇る あの日のままの結審
でも これからは
捨てても構わない
夏休みは 終わったんだ
守りたい人がすぐそばにいる
窮屈になったな、と時々は思うよ
つまらない大人になりたくなかった頃
あなたの痛みに気付かないままで
守りたいことが増えてゆく日々
臆病になったな、と時々は思うよ
つまらない大人が嫌いだったあの頃
ほんとうの強さを 僕は知らなかった
作詞:やなせなな
アルバム『遠い約束』(2007年)収録
©Studio Tabby
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