歌詞集
ゆらゆら揺れて 見た夢の中
なつかしいふるさとの
あなたが手を振った
この島の戦いで 僕が死んだら
星よ どうか 帰り道を示しておくれ
憎むべき敵 と 教えられた 異国の人
今ごろ 同じ空 見上げ
涙 流しているだろうか
うたうよ やさしい子守唄に 願いを込めて
愛を知る すべてのひとが
愚かな戦などせずに 済むように
同じさだめ 背負い
向けた銃口の先で
僕とよく似ている
若い兵士が 震えていたんだ
うたうよ
最期の子守唄に 祈りを込めて
愛を知る 僕のこの手が
君のいのちを奪わずに済むように
うたうよ
最期の子守唄に 願いを込めて
愛を知る すべてのひとが
もう二度と争わずに済むように
うたうよ
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby
みじかい恋でした
線香花火 はじけて咲いて
ほのお ぽとり 闇に落ちた
儚い夢の行方はいずこ
許されないと知りながら
二度と戻れぬ恋の道
たわむれに指切りをして
手に手を取ってゆきました
かなわぬ恋でした
募る想い はじけて咲いて
あなた 焦がれ 闇に堕ちた
うたかた 消えゆくこの身 まかせ
夏の終わりを惜しむよに
これで最後と口づけを
ひとしれず 誓いを立てて
あなたは去ってゆきました
みじかい恋でした
縋る想い 砕けて散って
ほのお ぽとり 闇に消えた
儚い夢の行方はいずこ
探して さまよい
求めて ただよう
恋し 愛し
あなた
かなわぬ恋でした
線香花火 はじけて咲いて
ほのお ぽとり 闇に落ちた
うたかた
消えゆくこの身
ひとつ
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby
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抜け殻を残して
わたしは沈んでゆくの
静かな深い海の底まで
このからだ 預けて
亡骸を残して
わたしは別れを告げた
冷たく暗い波の間に
このこころ 隠して
怯えずに目をひらいても
もう光は 届かない
耳を澄まして泳いでごらん
もう うたは 聴こえない
さようなら さようなら
本当は ずっと夢を見ていた
あのひとが わたしを探して
この海に 身を投げてくれることを
目を閉じても瞳の奥
消えることない いとしい姿
耳を塞いでも この胸 響く声
遠ざかる約束
さようなら さようなら
何度も何度もふりかえる
輝く水面の向こう
この手 もう一度 伸ばしたとしても
さようなら さようなら
ほんとうは ずっと夢を見ていた
あのひとが わたしを探して
この海に 身を投げてくれることを
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby
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泣かないで 泣かないで
夜更けの窓の外
まんまるのお月さま
やさしく微笑んだ
ぎゅっと抱きしめてあげるけど
ママはかみさまじゃないから
君がかなしいときには
いっしょに泣きたくなるんだ
おやすみ おやすみ
君はひとりぼっちじゃないよ
おぼえていてね
いつか おとなになっても
おやすみ おやすみ
どんなことが起きても
ずっと 君の味方だから
だいじょうぶ
そばにいるよ
ぎゅっと抱きしめてあげるけど
誰もかみさまじゃないから
どんな苦しいことだって
最後は ひとりで背負うんだ
おやすみ おやすみ
みんな孤独を生きている
それでも こうして
誰かを愛することができる
おやすみ おやすみ
君はひとりぼっちじゃないよ
おぼえていてね
たとえ 遠く離れても
そばにいるよ
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby
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あれは そう 幼い頃
かなしいときは ここに来て
いつもうたを 唄っていた
ざわめく木の葉が 手招き
ゆらゆら ららら
ゆらゆら ららら
もう 泣かないで と
わたしに呼びかける
重なり合う 木々のすきまから
漏れてくるよ やさしいひかり
ここで暮らす すべてのものたちが
照らされて
足もとの花も 笑った
けれど もう 時は流れ
おとなになった わたしには
聴こえない山の声
傷つく木の葉が お別れ
さよなら ららら
さよなら ららら
どうか 行かないで と
風に呼びかけた
倒れてゆく 木々の心が
叫んでいる 大地の痛み
ここで生きる すべてのものたちに
どうか ひかりを
枯れてゆく花が 唄った
倒れている 木々の亡骸が
示している 明日への道しるべ
ここで生まれた すべての過ちに
どうか ひかりを――
それが
緑の遺言
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby