歌詞集
きしむペダル 欠けた鍵盤
忘れ去られた オルガン
奏でていたひとを探し
そっとこの手で触れてみる
今は もうどこにもいない
誰かの遺したうた
たましいがおぼえているよ
あふれるメロディ
それは
いとしいひとたちの
しあわせを祈り
受け継がれてゆく 願い
こころから こころへと
伝えられる あいのうた
あなたから わたしへと
わたしから あなたへと
ららら
今 幼な子弾いているのは
遠いあの日のオルガン
奏でていたひとを想う
またいつか
どこかで逢いましょう
ららら…
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby
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やっと咲いたんだ
世界の片隅
あなたが流した涙の中に
くれないに 色づき始めた花
いちりん
惜しみない 祝福の拍手を送るよ
今日も咲こうとする
宇宙の真ん中
あなたが歩いている足の下に
くれないに 彩られてゆく花
いちりん
誰ひとり その美しさに気づかなくても
生まれたときに みんな
授けられている種
よろこびも かなしみも 糧にして
育つよ
愛の実を結ぶため
だけど
サヨウナラ
愛しいそのすべて
どんなにおおきな花を咲かせても
人知れず
色を失くしてく花 いちりん
誰ひとり 引き留めることなんてできない
燃えている いのち手放す僕も ひとり
いつの日か この土に還ってゆくだろう
明日も咲いている
世界を包むように
僕の
あなたの
いのちの上に
恋焦がれ
再び色づく花 いちめん
時が過ぎ
たとえ僕たちが忘れ去られても
くれないに
色づき育ってく花 すべてに
惜しみない祝福の
光を送ろう
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby
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かみさま お願い
僕に少し時間をください
これが最後になっても
いのち 尽きる その時まで
ありがとう ありがとう ありがとう
伝えたい
ひとりぼっちになった君が
さみしさに押しつぶされないように
苦しいときもあった
生きることは楽じゃないね
それでも振り返ると
ふたり ずいぶん 笑ったなあ
ありがとう ありがとう ありがとう
伝えたい
ひとりきりで旅立つ僕が
二度と振り返らずに済むように
たぶん 大丈夫
ほんの少しのあいだの お別れ
光の輪 くぐり抜ければ
なつかしい あのひとも きっと待ってる
ありがとう ありがとう ありがとう
伝えたい
ひとりきりで旅立つ僕を
君が心配しなくて済むように
つないだ手のぬくもり
君が作る あたたかいごはん
聴こえる なつかしい歌
並んで見上げたお月さま
さようなら さようなら さようなら
さよなら
忘れないで
たとえ僕がなにひとつここに残せなくても
ありがとう ありがとう ありがとう
ありがとう
君とふたり重ねた日々は
かみさまからの贈り物
ありがとう
ありがとう
ありがとう
ありがとう。
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby
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いつ刻まれたのだろう
閉ざす 心の奥の記憶
たとえ その涙が涸れても
愛しいあのひとは 帰らない
そして 流れる時の輪の中
踊り 歌う 笑顔の民よ
地に還る いのちを踏みしめ
あたらしい明日に
祈りの種を植える
いつ奪われたのだろう
忘れ去られてゆく記憶
たとえ その痛みは薄れても
二度と消えることのない 傷跡
今年もめぐる 祭りの輪の中
踊り 歌う 笑顔の民よ
地に還る いのちを踏みしめ
生まれ来る子に
愛の喜び 伝える
再びめぐる いのちの輪の中
踊り 歌う たくましき民よ
尊い傷を 足で踏みしめ
あたらしい明日に
祈りの種を植える
めぐりめぐる いのちの輪の中
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby
ゆらゆら揺れて 見た夢の中
なつかしいふるさとの
あなたが手を振った
この島の戦いで 僕が死んだら
星よ どうか 帰り道を示しておくれ
憎むべき敵 と 教えられた 異国の人
今ごろ 同じ空 見上げ
涙 流しているだろうか
うたうよ やさしい子守唄に 願いを込めて
愛を知る すべてのひとが
愚かな戦などせずに 済むように
同じさだめ 背負い
向けた銃口の先で
僕とよく似ている
若い兵士が 震えていたんだ
うたうよ
最期の子守唄に 祈りを込めて
愛を知る 僕のこの手が
君のいのちを奪わずに済むように
うたうよ
最期の子守唄に 願いを込めて
愛を知る すべてのひとが
もう二度と争わずに済むように
うたうよ
作詞:やなせなな
アルバム『願い』(2009年)収録
©Studio Tabby