歌詞集
あたしはあなたが大好きで
いつも ここで 待ってる
だからってお願い
お願い
かんたんに安心したりしないでよ
くすんだ銀色の蛇口からあふれ出す
せつないあたしの想い
そばにいるのに忘れられるなんて
笑えないよ こんな気持ちのままじゃ
痛み
こびりついてなかなか落ちない
お鍋の底は深くて 暗い
気づいて欲しいのに ことばにしたら
あたしがいなくなっちゃう
そんな気がするから 怖い
泡立つ涙でごしごし洗う
ひとりぼっちのキッチン
明るい花の絵のお皿には
置き去りのままのあたしの想い
あたためたのに残されてばかり
捨てられないよ こんな気持ちのままじゃ
痛み
こびりついてなかなか落ちない
お鍋の底は深くて 暗い
気づいて欲しいのに ことばにしたら
あたしがいなくなっちゃう
そんな気がするから―
痛み
こびりついてなかなか落ちない
ココロの底は深くて 暗い
気づいて欲しいのに ことばにしたら
あなたもいなくなっちゃう
そんな気がするから 怖い
泡立つ涙でごしごし洗う
ひとりぼっちのキッチン
作詞:やなせなな
アルバム『あいのうた』(2005年)収録
©Studio Tabby
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なつかしいあの家を
あなたはもう 思い出せない
ただ 裏庭の蜜柑の木を
見上げて ほほ笑むだけ
遠くふるさとから吹く風は
あの日の海の匂いがする
忘れたはずの古い歌を
あなたは突然歌い出した
潔く地図を捨てた人々に
「帰っておいで」と手招きする
風に揺れている緑の葉に
あなたは何を語りかけてるの?
大切なこの家も
あなたはもう 思い出せない
ただ わたしが差し出す蜜柑を
噛み締めて頷くだけ
戸惑いと 深い悲しみの中に
取り残されたわたしを
困った顔で振り返る
けれど あなたはたったひとりで
軽やかに歩き出すために
長い旅の支度を始めた
いとおしいわたしの名も
あなたはもう 思い出せない
このてのひらを握り締めて
やさしくほほ笑むけれど
大切なその全てに
あなたはさよならも告げずに
ただ 刻まれた遠い日々に
静かに瞳を閉じた
なつかしいあの家を
あなたはもう―
ただ
裏庭の蜜柑の木を見上げて
ほほ笑むだけ
作詞:やなせなな
アルバム『あいのうた』(2005年)収録
©Studio Tabby
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さむい夜はあなたが
こごえていないか しんぱい
ふるえる その なつかしい手に
いつも触れていない すぐそばで
そう願うわたしの
想いつたえる かわりに
高く 遠く 輝く月に
誓うよ これからは
かろやかに時を超えた
あの日のように
わたし 遠くに行くけれど
忘れないで ずっと
あなたが望むなら
わたしは空にもなれるよ
いつも いつまでも ここに
遠くから 呼びかけて
さむい夜はあなたが
こごえていないか しんぱい
ふるえる その なつかしい手に
いつも触れていない すぐそばで
あなたが望むなら
わたしは海にもなれるよ
いつも いつまでも ここに
遠くから 呼びかけて
どんな時も あなたの
しあわせ祈る
もう いない いつでもそばに
だから そばにいられる
誓うよ いつまでも
作詞:やなせなな
アルバム『あいのうた』(2005年)、『15th Anniversary THE BEST はじまりの日』(2019年)収録
©Studio Tabby
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ひとりぼっちの夜は あなたのことを思う
“今どこで何をしてるの?”
伝えられない気持ち 抱え
どんなに遠く離れても 平気だ なんて思ってた
傲慢な孤独 押し付け
ぎりぎりの強がりにも 気づけずに
冷たい風に揺れる心
頼りない想い もてあます
おおげさなことばにできない“愛?”に
おびえる日もあるけれど
たとえば
月がきれい だとか
かわいい服を買った とか
おもしろいテレビ見た とか
おいしいコーヒー飲んだ とか
ちいさすぎて忘れてた しあわせを積み重ねてく
あたりまえのやさしい日々を
あなたとなら たぶん ここから
わけあってゆける…かなあ
冷たい風に揺れる心
頼りない想い もてあます
おおげさなことばを捨てたわたしが
初めて気づいた“愛”!
たとえば
虹を見つけた とか
かわいいネコと出会った とか
おもしろい本読んだ とか
おいしいごはんを食べた とか
ちいさすぎて忘れてた しあわせを積み重ねてく
あたりまえのやさしい日々を
あなたとなら きっと ここから
わけあってゆけるから。
作詞:やなせなな
アルバム『あいのうた』(2005年)収録
©Studio Tabby
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しあわせの鈴 そっと差し出して
耳元で振ってごらん と君が言う
ずっとそばにいてくれたこと
その時 はじめて 気がついた
もう 夏は二度と ここに巡って来ることはない と 思ってた
とおい人の背中 見送った日のかなしみを憶えてるあたしは
うつむいたままで
そのくせ意地を張って
ほんとうは 泣きたかったくせに、ね
君が触れたあたしの心いっぱいに広がってく
雲ひとつない 秋の空
ちりんちりん 響く虫の音
君への想い 奏で始めるけれど
しあわせの鈴 そっと差し出して
耳元で振ってごらん と君が言う
夏が過ぎ 秋風 頬を撫でる
移りゆく季節はやさしく過ぎる
けれど―――
君が触れたあたしの心いっぱいに広がってく
十六夜の月灯り
好きよ好きよ 響く虫の音
照らされた想い 歌い始めるけれど
君が触れたあたしの心いっぱいに広がってく
雲ひとつない 秋の空
ちりんちりん 響く虫の音
君への想い 奏で始めるけれど
なにも伝えられないままで
露草に涙がにじむだけ
ちりんちりん
ちりんちりん
好きよ好きよ と 君に泣いて
ちりんちりん
ちりんちりん
あたしの心にこだまする
ららら…
作詞:やなせなな
シングル『街の灯』(2004年)、アルバム『あいのうた』(2005年)収録
©Studio Tabby
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