歌詞集
2020-06-18 09:00:00
訪ねるひとは ずいぶん減ったな
メニューは ひとつ あとはやめたんだよ
あの頃は まだ コンビニもなくてさ
ここで 悪ガキが 見果てぬ夢 語ってた
説教なんて できるがらでもないし
ときどき ただ 頷くくらいで
気のきいた 冗談ひとつ 言えなくて
隣りで 俺も 同じ夢 見てた
忘れもん 預かったまんま
時は流れ流れて 町も人も変わるさ
孫が描いた じいちゃんの似顔絵
俺も ずいぶん 歳をとったもんだな
あいつら 今ごろ どこで どうしてる
おやじ オムライスくれよ って ある日
もう出してないよ 何度も言ってるのにさ
頼むよ どうしてもって
スーツ姿の中年男 やけにしつこくて
もう一度だけ 食わせてくれよ
あんなうまいもん ほかに見つからないんだよ
しょうがない 特別だ
とっておき あの日の看板メニュー
目をつぶっても作れるさ
忘れもん 預かったまんま
時は流れ流れて 町も人も変わるさ
ひとくち食べて いきなり泣いた
あんたも いろいろあったんだろうな
説教なんて できるがらでもないし
相変わらず 頷くくらいで
気のきいた 励ましひとつ 言えやしない
咳払い ごまかして 涙は のみこんだ
作詞:やなせなな